カテゴリーアーカイブ: 介護

眠剤を利用した悪質な犯罪

昨年の記事ですが、気になったので投稿しました。

私は介護職員です。高齢者介護の一環として服薬の援助を日常的に行っています。とくに夕刻、お食事を済ませたあと、イブニング・ケア(就寝介助)で服薬の援助を行いますが、眠剤を利用する高齢者の多いことに、今更ながら驚きます。それでも、昔に比べれば少なくなってきました。ちなみに、「眠剤」とは「睡眠導入剤」のことです。眠気をうながす薬。むかし風の「睡眠薬」は死語です。

眠剤を利用する高齢者が減少した背景は、ポリファーマシー(多剤服用)を改善する取り組みが、在宅医療の現場で積極的に普及したからです。これは不思議ですが、ひと昔まえ、高齢者が不眠を訴えると、介護の現場が反対しても、医師は速攻で眠剤を処方しました。ところが、最近は医師も眠剤処方にナーバスであり、代案として「昼夜逆転を改善する取組」を提案するケースも見られ、介護職員としては、いまさら感が強いですが、良い傾向にあるのは事実です。

なぜ、お薬をいっぱい飲んではいけないのか。たとえば、薬の量を減らすことにより、意識の覚醒状態が保たれるので、ふらふら歩行による転倒骨折が予防できます。一般的に、骨折後に介護が重度化します。薬の量を減らすだけで、高齢者の生活は格段に向上すると考えることができます。現実的にも、そうなります。つまり、簡単な取り組みで、介護の重度化を予防できるんです。

それでも、眠れない高齢者の多い介護現場では、眠剤に関わる機会が多いのが現実です。かるい気持ちで「1錠だけ」盗もうと思えば、たぶん、成功するでしょう。

平成29年、千葉県印西市の老人ホームで起きた事件には驚きました。

施設勤務の准看護師が同ホーム職員に、睡眠導入剤を混入した飲料を飲ませたと言う事件です。睡眠導入剤とは知らずに飲んだ多くの職員は、車で帰宅時、交通事故を起こし死亡者も出ています。日本の警察はこの事件をよく立証できましたね。さすがです。

このような事件が多発傾向にある事に驚きを禁じ得ません。当分、続くんでしょうね。やれやれです。

産経新聞大阪夕刊 2019年10月10日
産経新聞大阪夕刊 2019 年10月10日
産経新聞朝刊 2019年12月20日
産経新聞朝刊 2018年12月5日
産経新聞朝刊 2018年11月22日

未来は認知症のない社会になるか

これは、大発見ではないか!

失われた脳の機能が回復するという話。人工タンパク質を使い、切断された脳の神経細胞を再接続する。まさに夢の技術だ。マウス実験では既に成功していると。具体的には、遺伝子操作により人工的に創り出した認知症マウスに、同チームの新薬を投与した結果、脳の神経細胞が再構成され、マウスの認知機能が向上したらしい。まるでSFの世界。凄すぎる。

慶應大学と愛知医大のチームによる快挙。今まで、認知症特効薬として様々なDNA新薬の存在が噂されたが、同チームによる実験は最も現実的なツールを未来に提供してくれそうな予感がする。

さすがメイド・イン・ジャパン。

認知症のない社会の実現。こんな素晴らしい事があるだろうか。どれだけ多くの家族が介護地獄から救われるのか。この実験の成功&実用化に、1000%期待したい。頑張って下さい。

産経新聞朝刊「神経の再接続に成功」2020年9月13日

在宅介護の広がり

僕が介護の仕事を続けられた最大の理由は、「看取り」のお手伝いができたことでした。施設の業務のみ、ただ介護をしているだけでは、この仕事は続かなかったとおもいます。

本日産経新聞の朝刊より、在宅での見取りが広がっているそうです。もし、ご自宅でご家族を看取るなら、何より、話し合いが重要であると。

僕は、施設と在宅の両方で介護事業所の管理者をしてきました。在宅での介護は、本人・家族共々、喜びが大きいのは事実です。介護施設特有の事情、本人の「同意ない入居」が在宅には存在しないので、残された時間、今まで通りご自宅で「生活できる喜び」を満喫できるのが、在宅介護の最大のメリットでしょうか。メリットというより、本人にとってみれば、それが「最大幸福」と呼べるかもしれません。ゆえに、在宅介護は、ちょっとした贅沢なのです。

なぜ贅沢なのか。介護をご自宅で行うと、ご家族の負担と心労がはんぱないからです。親兄弟だから、「世話をするのは当たり前」と思うかもしれませんが、介護に伴う費用と労働力は誰が負担するのか。お金はご両親が負担することになっても、誰が介護するの?

介護をするために、ご家族が現在のお仕事を辞めるのは、本末転倒。あまりにももったいない。介護が終わったら、どうするのか?心身ともに疲れているのに、就職活動なんかできないですよ。まさに、自分にとどめを刺すようなものです。

そこで登場するのが介護施設で、個人的にも、介護施設は積極的に利用してもらいたいです。しかし、介護施設は本人が望んだ場所ではないので、幸福度が少ない。

ご自宅で生活している高齢者が、いよいよ介護が必要になり、自ら望んで施設に入居をされるケースは、本当に稀です。あることはあります。自ら望んで施設入居を選んだ方の最大の理由は「家族に迷惑をかけたくない」からです。心の底から施設入居に同意している訳ではありません。できれば「今まで通り自宅で暮らしたい」のがプランA。それが叶わぬなら、「子供たちのお世話になりたい」のがプランB 。施設入居はプランCかプランDで「全てが叶わない」時の最終手段です。仕方がないからなんですね。

頭の良い高齢者は、子供に迷惑をかけたくないが、1人暮らしに不安を覚える。だから、子供の側で暮らしたいと考え、ご家族の住まいに近い介護施設に入居されます。首都圏のベットタウンに高齢者施設が多い原因がこれです。このケースでは、本人より家族の同意、協力の有無がキーワードになります。

けっきょく、時間をかけて、ていねいに話し合いをされた方が、本人と家族を取り巻く関係性の構築が、うまくいっています。しかし、介護は突然やってきます。性急な結論を求められることもあります。例え失敗しても次があります。どうか、ご自身を責めないようにして下さい。

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