月別アーカイブ: 2020年10月

介護保険の滞納、右肩上がり

介護保険料が払えない高齢者が急増。

保険や税金の滞納は珍しくないが、介護保険の滞納で資産の差し押さえ処分の数が、これほど多いとは。保険料の上昇と言うより、コロナによる不景気が露骨に影響しているのでは。前期高齢者はまだいい。働くことが可能な年齢なので、リカバリーが効く。後期高齢者で滞納が続くと、資産を差し押さえられ、生保になる。そうなると、介護サービスの選択肢が狭まる。

なんとかならないものか…

65歳以上の介護保険滞納、過去最高
産経新聞朝刊 2020年10月13日

森本草介展

日本写実絵画の最高峰。森本草介の名作をホキ美術館で体験。

「圧倒的」という表現が許されるなら、まさに、森本草介の作品が該当する。理屈はいらない。圧倒的に美しい。本物の絵画、写実が放つパワーがここまで凄いとは、森本の作品を体験するまで、なかなか想像できない。

森本の描く美人画は、作品の対象となるモデルの美しさを超え、絵そのものに、まるで命が宿っているようだ。キャンパスに描かれた絵を観るのではなく、生きた人間と対面する。この不思議な感覚は、なんだろう。森本草介は、未知の技法を使い、モデルの美しさを捕らえ、自らの作品に封じ込めたのだろうか。美しさは絵画の中で永遠に残る。そう考えると、森本は画家というより魔法使いに近い。そんな事を考えてしまう。

今は使われなくなった言葉だが、森本草介の作品は「感嘆と畏怖」そのもの。もはや、人間が描いた作品とは思えない。

2015年に他界した森本草介に感謝。氏の作品に触れ、絵画の深淵について考えることができました。ありがとう。

森本草介展
森本草介展 ポスター
ホキ美術館
ホキ美術館 千葉県千葉市緑区

「性差の日本史」展

日本の性差(ジェンダー)はいつ誕生したのか。そもそも、性差とはなにか。歴史的資料をもとに、じっくり勉強できる企画展示。

日本の歴史を太古から紐解き、社会的役割としての男性・女性が、日本にいつ頃から誕生したのか、簡単に学習できます。

  • 性差(ジェンダー)の日本史
  • 2020年10月6日〜12月6日
  • 場所:国立歴史民族博物館 千葉県佐倉市(佐倉城址公園)

僕なりにまとめます。大前提として、日本は性差に、かなり寛容な社会であったこと。まつりごとに女性が参加しない、というルールは、そもそもなかった。女性が記号(性差:ジェンダー)として歴史に登場するのは、平安時代頃。戸籍制度の確立に由来するそうです。しかし、家系を重んじる日本社会は、政治の頂点に、女性が立つ事がありました。例えば北条政子。女性君主の登場に社会的な偏見はなかったそうです。

江戸時代に入り、女性の役割は裏方にまわる。もちろん、政治的な発言は許されました。例えば大奥の女性など。そもそも、女性の発言を抑制する、という考えかた自体がないようです。江戸時代に仕事の階級制度が確立します。例外として、女性は職人になれなかったようです。

江戸時代に大店(おおだな)が登場します。江戸時代の大店は、300名前後の男性従業員で構成されていました。女性はいません。ここに登場するのが、性の管理。自慰禁止の社訓があったりします。大店の構成に重要な役割となるのが、性の管理=「遊郭」です。遊郭とは売春宿のこと。経営者は遊郭と上手に関係性を築くことが、必須スキルだったと。なお、遊郭は女性のみで構成される組織。女性経営者としての社会的地位は、相当高かったようです。もちろん、職業差別はありません。このあたりは、ヨーロッパと全然違う。ちなみに、大店の登場に、日本の終身雇用制度のルーツを感じました。これが、元祖サラリーマンでしょうか。

遊郭で働く女性が差別されるようになったのは、明治時代。文明開化で日本全体が西洋文明に右にならえした結果、「奴隷解放」とほぼ同義の意味で、遊郭が強制解体されたようです。しかし、遊郭を除籍された女性は、すぐ転職できるわけもなく、結局、売春業に戻ることもあったと。その際、今までは両親の都合で遊郭で働いていたが、解放後は「好きで売春している」と社会的偏見を受け、遊女に対する差別が始まったと。なお、明治政府が誕生した際、女性に参政権は与えられません。もちろん、選挙権もない。

日本社会を分断しかねない「性差」ですが、その誕生を見ると、近代が重要な要素となっています。男女差別は、日本が西洋化した結果の、負の副産物なのでしょうか。

ジェンダーの日本史
性差の日本史 国立歴史民族博物館
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