カテゴリーアーカイブ: 高齢者 事件・事故

止まらない虐待事件

兵庫県西宮市の障害支援施設で発生した虐待事件施設の対応は早くリスクを最小限に抑えた。

本年7月に発生した虐待案件の加害者を、翌月、懲戒解雇に。証拠を固め、該当職員を決然と解雇した施設の姿勢は、勇気があり称賛に値する。

ここで復習したいのは、虐待とは何かである。人として我慢できない「酷い」状態を虐待とすると、普通の成人は、虐待されない。なぜか。抵抗できるからだ。「逃げる」「戦う」「助けを求める」といった、様々な手段を、自由意志で行使できる。では、こういった手段を選べない、抵抗できないのは、どのようなひとか。子供や高齢者、障害者などである。一方的な隷属関係を強いられるひとも含まれる。いわゆる、社会的弱者だ。

だから、虐待は早期発見が難しいことを、まず、知識としてご理解頂きたい。次に、虐待は目撃時の通報義務が法令で定めてある。介護従事者、医療従事者、保育士などは、以下の5項目を目撃したら、なんらかの手段を講じて、情報共有を行う義務がある。

※報告先は社内(上司)、もしくは行政窓口

  • 身体的虐待
  • 心理的虐待
  • 性的虐待
  • 経済的虐待
  • ネグレクト(放置放任)

ここまでは、よくある虐待防止研修のまとめ。虐待研修は法令研修なので、必ず実施しなければいけない。でも、虐待はなくならない。というか、罰則が軽いので、現状の法令では無くならないだろう。

とはいえ、繰り返し、研修という学びの場で、粘り強く教育を行うことで、一定の抑止効果があると、本気で信じたい。虐待をすると人生損をする。そう考えて、間違い御座いません。

障害施設で虐待加害者を逮捕
産経新聞朝刊 2020年10月14日

掃除機で高齢者を虐待!

高松市内の有料老人ホームで、女性入居者に対し、掃除機で髪を吸う行為をした介護福祉士を、高松北署が暴行容疑で逮捕。逮捕された介護福祉士は「やっていない」と容疑を否認。

高齢者虐待防止法では、暴力行為等が継続的に行われている事を確認した後、虐待と認定され、市区町村の介護保険課が、なんらかの法執行手続きをします。

今回は警察が動いています。ご家族による通報でしようか。

やっぱ、警察の方が頼りになりますね。

気になるのは、逮捕された職員が、容疑を否認している事。

そもそも、掃除機を使って何をしていたのか。介護現場では、居室清掃等、掃除機を使う場面は無数にあります。

高齢者の髪を掃除機で吸う行為、イメージができない。

今後の情報を期待…

産経新聞朝刊 2020年9月21日

転倒による介護の重度化が課題

救急搬送の原因は転倒が8割

ふらつき歩行による転倒で骨折。高齢者介護の現場では、よく聞く話です。

介護の現場でもあるあるですが、なんと、救急搬送の原因は転倒が全体の8割であると。転倒・骨折による救急搬送です。現在は高齢であっても、病院は手術をしてくれます。例外もありますが、高齢者の骨折は病院で治る病となりました。

介護でもっとも困難なことは、高齢者が何らかの原因で入院した結果、退院後、今までの生活ができなくなる事です。

今までの生活ができなくなることに、本人は無自覚です。それは仕方のない事ですが、誰が高齢者の「できない部分」をフォローするのか。この「できない部分」を、退院前に話し合うことが求められます。

よくある話ですが、今まで1人で出来た排泄が、退院後は困難と予測される場合、病院は「オムツを着用して下さい」程度の説明しかしません。結果、オムツ交換は「家族」が担当するから大丈夫となります。

そして、自宅に戻って家族が体験するのは、失禁に振り回される介護地獄です。オムツを何回交換しても、排泄のタイミングが合わない。お漏らしを繰り返してしまう。そもそも、1日何回、オムツを交換すれば良いのか、判らない。排泄は尿を想定していたが、便の処理も必要だった。紙おむつは尿の問題を解決するツールであり、便の処理は苦手だと、知らなかった。さらに、尿を吸った寝具は容易に乾かない。交換もできない。仕方ないから、そのまま使ってしまう。あっというまに、部屋に異臭が立ち込める。気がついたら、異様な風景になっている。これは、まるで地獄だ。

こういった悩みは、よくある話なんです。最近では、退院後に必要なことを、病院も家族に詳しく説明するようになりました。しかし、具体的な介護をイメージできない家族に、突然、「来週、退院です」と迫る傾向は、いまも変わらないようです。

ひとりでトイレに行けない高齢者は、買い物に行けません。食事の用意もできない。ひとりで着替えることも出来ないし、入浴もできない。部屋の掃除もできないから、洗濯もできない。結果、きわめて不潔な環境に拘束されてしまう。

そもそも、高齢者介護の三大問題である「食事」「入浴」「排泄」を、家族が全て担わないといけないのか。家族がどれだけ犠牲を払えば良いのか。介護の担い手が高齢夫婦の場合は、どうすれば良いのか。独居だったら…

話の風呂敷を広げる前に、高齢者介護の問題点は、困難と思われる課題に「対応」はできるが、「解決」は難しい傾向にあります。「解決」とは退院前の状況に、可能な限り戻ること。それが困難なので、高齢者の生活を継続的に支えるため、介護サービスが必要なのです。

介護保険では、高齢者の自立した生活を支えることを、第一の理念としています。自立が困難な状況では、日常生活に障害となる機能、できない部分を公的保険で補いながら、高齢者の生活を支えます。

転倒骨折を例にすると、退院後は体が動かないから、寝たきりの生活になります。介護スタッフが、1日複数回訪問して高齢者の介護、まずは生活を支えます。オムツ交換や食事の提供。入浴や掃除洗濯など。できない見込みで介護を始めるケースが多いのが現状です。入院中の身体機能低下を考えると、当然かもしれません。つまり、退院後の介護サービスは過剰傾向にあります。しかし、自宅に戻る事で、徐々に身体の機能が回復してきます。そこで、回復の兆候を見極めながら、無理のない範囲で、まずはベット脇に置いたポータブルトイレを使い、排泄の援助を試してみる。

ベット脇に設置したトイレまでの、ちょっとした移動。かんたんな日常生活動作を繰り返すことで、効果的な訓練になります。ポータブルトレの排泄をクリアしたら、今度は自宅のトイレを使い排泄の訓練をしてみる。しばらくすると、トイレまでの移動手段は、車椅子から自立の歩行に変化してきた。ついに、ひとりでトイレに行けるようになった。

この状態が「解決」かも知れません。介護サービスでは、解決したい問題点を「目標」として、短期と長期で分類、ケアプランに記載します。短期目標の期間は3ヶ月です。つまり、退院後は最低3ヶ月後の生活目標に標準を合わせ、介護サービスを計画する必要があります。この一連の流れが、介護保険を利用した介護サービスとなります。

もし、高齢の家族が自宅で転倒・骨折したら、程度の差はあれ、このような手順を一様に経験することになります。

病院の入院を契機に介護サービスが重度化するケースが多いのですが、予防措置を講じることも可能です。普通の状態と介護が必要な状態、その中間状態のことを、近年「フレイル」というようになりました。このフレイルを遠ざけることで、介護の重度化を予防できると考えられています。

フレイル予防に必要なことは、次の3つです。

「よく食べる」「よく動く」「よく笑う」。つまり「食事」「運動」「社会参加」となります。

ご参考までに。

産経新聞朝刊 2019年11月29日
産経新聞朝刊 2018年11月30日
東京消防庁公式チャンネル 日常生活事故「屋内編」
東京消防庁公式チャンネル 日常生活事故「屋外編」
東京消防庁公式チャンネル 日常生活事故「乳幼児編」
« 過去の記事 最新の投稿 »