森本草介展
日本写実絵画の最高峰。森本草介の名作をホキ美術館で体験。
「圧倒的」という表現が許されるなら、まさに、森本草介の作品が該当する。理屈はいらない。圧倒的に美しい。本物の絵画、写実が放つパワーがここまで凄いとは、森本の作品を体験するまで、なかなか想像できない。
森本の描く美人画は、作品の対象となるモデルの美しさを超え、絵そのものに、まるで命が宿っているようだ。キャンパスに描かれた絵を観るのではなく、生きた人間と対面する。この不思議な感覚は、なんだろう。森本草介は、未知の技法を使い、モデルの美しさを捕らえ、自らの作品に封じ込めたのだろうか。美しさは絵画の中で永遠に残る。そう考えると、森本は画家というより魔法使いに近い。そんな事を考えてしまう。
今は使われなくなった言葉だが、森本草介の作品は「感嘆と畏怖」そのもの。もはや、人間が描いた作品とは思えない。
2015年に他界した森本草介に感謝。氏の作品に触れ、絵画の深淵について考えることができました。ありがとう。

